生々しいアーティスト。
ブルータスの最新号、表紙の迫力に負けて買ってしまいました。「緊急特集 井上雄彦」。この方
本当に絵がうまいですよね。MONSTERや20世紀少年の浦沢直樹さんと並んで大好きな漫画
さんです。2人ともストーリーの面白さはもちろんなんですが、絵の緻密さ、絵から伝わってくる
気迫が好きなんですよね。
漫画展(のような美術展?)を開催するような方なので当然かもしれませんが。
そんな井上さんでもスラムダンクの初めの頃は、今と絵のタッチがずいぶん違ったような・・・・・・
(このことはブルータスの中で建築家の乾久美子さんも書かれていました)。マンガは連載が長い
と、こういうことが、よくありますよね(その漫画家の出世作の場合は特に)。
一つの作品の中で、自身が成長していく、変化していく過程が見られてしまうって、作家にとって
はどんな感じなんでしょう。建築もプロダクトなどデザインも絵画も音楽も1作品を見ただけでは、
アーティストの成長や変化が見えることはないでしょうし。前後の作品と比べて初めて感じられる
ことです。そういう意味でも漫画家さんは特殊なアーティストに思えます。他の分野の方以上に
自分をさらけ出しているような。
生々しい感じがします。
本日の音楽:Radiohead [Best Of] 04 Creep
成長や変化がよく見えるものと言えばベストアルバム。それだけに1枚の作品として聴くには少し
ツライ気もします。(郷ひろみなんて1枚のベストにまとめられそうもない変わりっぷりでしょう(笑))
Creep...初期の名曲。本人たちはあまり好きではないみたいです。受け手は、無垢で純真なとこ
ろに魅かれ、作り手は、無知で幼いと敬遠するのでしょうか?以前も書きましたが成長していくバ
ランスって本当に難しいと思います。