仲の悪い兄弟。
最近、内藤廣 さんの「建土築木」というエッセイを読んでます。内藤さんは建築家でありながら、
東京大学で土木系の教授をされている方です。建築の分野では、安曇野ちひろ美術館や海の
博物館など、物静かで普遍性のある建築を多く設計されています。(個人的な印象ですが、外
国の建築家で言ったらピーターズントー、若手建築家では三分一博志さんが、テイスト的には、
少し近い感じでしょうか。)
内藤さんは、この本の中で、
「建築と土木は兄弟のような存在だが、とにかく兄弟ほど仲が悪い」
と書かれています。私は土木を否定的に見ているつもりはありませんが(むしろ、小手先のデザ
インでは処理しきれないスケール、黙して語らないたたずまいに魅力を感じます)、土木のことを
あまり分かっていないのは事実です。どうしてなんでしょう?教育、ゼネコンのシステム、発注
方法・・・どれをとっても全然混ざっていませんよね。(ですから私も土木について、あまり知らず
現在至ったと思うのですが)
この本は、そんな建築と土木をひっくるめて同じ目線で見て、良いところを混ぜ合わせたい、境界
を飛び越えたい、そんな思いのもと書かれています。多少不細工な構築物も、その裏にある物語
に目を向け否定しない、逆に現代建築の透明で軽やかなデザインには少々否定的。そんなスタン
スで建土築木めぐりの旅ができる本です。
全国津々浦々、建築、土木、いろいろな構築物が取り上げられていて、そういう面でも楽しいです。
本日の音楽:Rage Against TheMachine [Renegades] 10 Street Fighting Man
カバーアルバム。ロック、ラップ・・・・それこそ境界なんて関係ない!音楽スタイル。ストーンズなど
カバーしてますが、大御所の曲でも全くビビってません(原曲のカタチとどめていませんし・・・・・)。