渡辺隆建築設計事務所

キラキラした日常。 - BLOG

06.27.2008

キラキラした日常。

天然コケッコー」。
昨日深夜、一人さびしく映画鑑賞したのですが(妻はあまり付き合ってくれないんですよ・・(涙))
さびしさも吹き飛ぶ気持ちの良い作品でした。

主人公は中2の女の子。生徒数小中合わせて6人の田舎の分校(島根県浜田市)に、東京から
中2の男子生徒が転校してきて・・・。中2の夏から卒業までの何気ない日常を、美しい田舎の風
景とともに穏やかに描いた作品です。ストーリーは・・・・・平凡な日常を淡々と描いているので、と
ても説明しづらいのですが(私に文才がないからでもありますが)、飽きることなく最後まで幸せな
気分で見ることができる内容でした。

そんな、つかみどころのない映画なので、見た印象も人それぞれかなり違うのではないかと思う
のですが、私は今まで何気なくやり過ごした日常が、急にもったいなく感じられてきて・・・(それく
らい、なんでもない日常がキラキラと素敵に描かれていたんですよね)。

なんでもない日々や景色でも、過ごしようによっては、もっと印象深く記憶に刻んでおくことができ
たんじゃないか?なんて。

(子供のころ住んでいた家が無くなり、前面道路が4車線になり、東名がインターができ・・・学校
生活も遠い過去になりつつある今・・・・ふと思い出してみても当時のこと、意外とはっきり思い出
せない自分がいて・・・)

いろいろな過ぎ去った日常が、鮮明に心に焼き付いていないって、もったいない。

なにか湿っぽくなってしまいましたが、ケンチクは風景となり生活となり、人のキオクのベースにな
っていくもの。そんなケンチクを設計する者として、自分自身も多感にキオクに残る日々を過ごして
いきたいものです。子供の頃あんなに長かった1日が、あっという間に過ぎていく今日この頃だけ
に余計に。

「天然コケッコー」の監督は山下敦弘さん。1976年生まれ。この若さで、この空気感、余白で何
か語るような映画をつくるなんて・・・尊敬です。ケンチクやデザインでも目指すべきところです。

本日の音楽:くるり [ワルツを踊れ] 13 言葉はさんかく こころは四角
「天然コケッコー」の主題歌。映画の雰囲気にぴったり。やさしい歌です(歌詞も良い)。くるりのボ
ーカル岸田繁さんも1976年生まれ。みんなすごいですよ。

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