静と動。
昨日は、堀部安嗣さんの講演会に行ってきました。
堀部さんは、「住宅」を多く設計している建築家。
・街並みや風景に似合った建築。
・気候や風土に逆らわない建築。
・設計者個人の匂いを消した建築。
いろいろなキーワードがあったのですが、特にココロに残ったのは、
建築は、過去の多くの積み重ねの上に成り立っていて、それを覆そうとしてはいけない。そうやっ
て、今までになかった新しいものを生み出しても、一時的なものでしかなく、残らないというお話し。
設計者もお施主さんも、それぞれに個性がありますし、気持ち良いと感じるものも違うと思います。
ですから、今までになかった新しい建築を目指す人がいてもいいと、私は思います。
でも、忘れてはいけないのは、過去(先人や歴史や風習)、や取り巻く環境(自然や街並みや協力
者)への「敬意」なんじゃないかと(いくら今までにない新しい建築でも、無から生み出されたもの、
全てが新しいものなんて、ないはずですものね)。
自分はちっぽけで無力だと理解しつつ、精一杯できることをするって感じでしょうか。
堀部さんは、そんな謙虚なココロを持った方でした。
建築雑誌などで目立ちがちな、奇抜な建築を発表する建築家を「動」だとすれば、堀部さん(堀部
さんもたくさん雑誌には出ていますが(笑))は「静」。
浜松での講演は西沢立衛さんから始まって、オトリエ・ワンの塚本さん、青木淳さん・・・で今年の
堀部さん・・・。
相対する立場の方のお話を聞くことができたのは、とても貴重な体験でした。
堀部さんのお話を聞きながら、なぜか西沢さんのお話や作品が思い浮かんできました(笑)。
本日の音楽:Counting Crows [Saturday Nights & Sunday Mornings] 01 1492
カウンティングクロウズの最新作。ロック(ハードロックではなく)の王道。アメリカの良心?。こうい
う音楽が、ずっと残っていく、聴き継がれていくものなんでしょうか。