サービス精神。
日経アーキテクチャに伊東豊雄さんと遠藤勝勧さんの対談が載っていました。
内容は、お二人の菊竹事務所でのエピソードを交えて、ディテール(納まり)に対する考え方や図面に対する姿勢を語るというもの。
印象深い発言をピックアップしてみますと・・・・
ディテール(納まり)について
「建築のコンセプトを最も明快に表現するにはどういう納まりにするか、そこにしか興味がない。」
私も常々、この姿勢を大切にしていたいと思っています。
同業種の方から「標準ディテール図面って作ってますか?」などと聞かれることもあるのですが、そんなときは、いつも「その建物の性格に合わせて一から考えたいのでありません」とお答えしています(たとえ、結果的に、いつもと同じディテールに行きつくのだとしても、一つの建物のために一から検討する作業は、省いてはいけないものだと思っています。そんな過程を経た建物のディテールは、きっと合点のいくものになるハズ)。
やりたいディテール(例えば額縁なしのサッシまわりの納めにしたいとか)が建築計画より先にあるというのは本末転倒。寸法についても同じこと(例えば天井高の低い空間にしたいとか)。昨年、講演会の場で堀部さんもそんなことをおっしゃっていました(低い天井にこだわっているわけではない。寸法は、その建物のコンセプト次第なんだというようなこと)。
図面について
「図面は約束事。伝える相手がいる。今の人たちは伝える意志、サービス精神がない。」
CAD化されて、手書きの頃とは図面の役割にも少し変化があるとは思うのですが、設計の意図を分かりやすく伝えるということは普遍ですよね。気をつけたいところです。
また、私たち設計者とお施主さんの熱意・気合いを施工者さんに伝える「オーラ」も出しまくっておきたいところです(笑)。そのための作図の工夫、改善は常にしていかなければならないことですね。係る皆さんが前向きに、やる気になる図面を目指して!きっと、その「オーラ」が各設計事務所の個性になるんでしょうし。
それにしても、やっぱり一流建築家のお二人は、若かりし頃から、建築に取り組む姿勢が半端じゃないですねー。伊東さんは、所員時代、疲れるとペンを左手に持ち替えて製図していた(笑)そうですし、遠藤さんも、新しい設計が始まる前には、滝に打たれてみそぎをしたいと思うほど、真剣だったとお話しされています。
私はというと・・・うーん、なまぬるい人生です(笑)。
本日の音楽:Coldplay [ Live2003 ] 06 Shiver
グラミー賞いくつか取りましたね。明日からは賞をひっさげての来日公演です。行きたかったです・・・。