何もない。
以前も書きましたが、私は、今一番面白い放送局はHNKじゃないかと思っています。
昨年しばらく続いていた中国での業務、現地滞在中に見ることができたのはNHKだけでしたので、それで慣れてしまったせいかもしれませんが・・・。教養もバラエティーもスポーツもドラマもかなり充実しているのは確かでしょう。
昨日も10時頃から(夕食を食べながら・・・)ビール片手に「プロフェッショナル」→「爆笑問題のニッポンの教養」→「スポーツ&ニュース」という具合にNHK三昧(笑)。
中でも、昨日は「爆笑問題のニッポンの教養」(グラフィックデザイナー原研哉さん出演)が面白かったです。共感できるコトバも多かったですし、爆笑問題の二人と原さんの会話の雰囲気も、なんだか共感し合っているようでよかったです(太田さんが意地の悪い質問をぶつけて、ゲストと子供のケンカのようになるのも面白いんですけど)。
特に「何もないが、すべてがある」という考え方が、日本独自のデザインじゃないかという話は共感しました。
たとえば包丁。
ドイツ製の人間工学に基づいた複雑な曲線の柄の(手にフィットする)包丁と、日本製の、何気ない寸胴な柄の柳刃包丁(板前さんが使うヤツ)・・・。
前者は、「握る」という用途に対してダイレクトにシンプルにデザインされたモノ、後者は寸胴でなにもデザインされていないかのようなカタチによって、板前さんのどんな握り(用途)にも対応するモノ・・・。
茶の湯の話も出ていました。
水盤に桜の花びらを数枚浮かべるだけで、主人と客は満開の桜の木の下にいるイメージを共有できる・・・。
・・・「間」とか「空っぽ」な部分こそがデザインであって、飾り立てることがデザインじゃないし、そこにこそ日本の独自性がある・・・そんな話です。
ケンチクなんかは特にそうですねー。目指したいのは「カタチのデザイン」ではなく「空間や空気感のデザイン」。まさに「何もない部分」のデザインであります。
本日の音楽:Kasabian [ Kasabian ] 01 Club Foot
もうすぐサードアルバムが発売になるカサビアン。このデビューアルバム、特にこの曲、流行りました。ケミカルブラザーズの[Block Rockin'beats]のような感じ。ロック+エレクトロニクス。中毒性の高い曲です。