渡辺隆建築設計事務所

身軽さ。 - BLOG

05.09.2009

身軽さ。

最近竣工した、伊東豊雄さん設計の杉並区立杉並芸術会館「座・高円寺」が、いろいろな雑誌に登場しはじめましたね。

2枚の鉄板の間にコンクリートを打設する鉄板コンクリート造(ミキモト銀座2と同じ工法)の建物です。この構造により、目地のないテント小屋のような柔らかい雰囲気が演出されています。

GA JAPANの座談会では、二川さんが、この「座・高円寺」を「大人の建築」と評していました。

伊東さんは、力の入れ方が適切で、クオリティーを落とさない技を持っている、と。

私が伊東豊雄さんを好きな理由もその辺り。柔軟さ身軽さ器用さ・・・。

台中メトロポリタンオペラハウス」や「せんだいメディアテーク」のような、斬新で挑戦的(突然変異的?)な設計もするけれども、用途や立地や要望によっては(諸条件を適切に見極めて)、以前の建築のバリエーション的な完成度の高い建築(多少面白みに欠けたり設計意図が見えにくいものになったとしても)も設計する(→私たち一般人からすれば、この類の建築でも十分刺激的なんですけれども)・・・。

座談会の中で、

「少なくとも、対立的な状況は作りたくない(発注者や地域住民と)」

「若いころから、オリジナルは5年に1度でいいと思っていた」

「一個人の中で、そんなに新しいアイディアが湧き出てくるわけではない」

と語る伊東さん。

今回の座談会から、何時も感じていた伊東さんの身軽さ、謙虚さ、正直さ、みたいなものが、またまた伝わってきて、ますます建築家「伊東豊雄」を好きになってしまいました。

ホントにカッコイイ。憧れのおじさんです(笑)。

本日の音楽:大橋トリオ [ Pretaporter ] 06 Cryin'
何度か紹介しています大橋トリオ。いよいよメジャーデビューとのことです。知る人ぞ知るやさしくポップな音楽って感じがよかったので、ちょっとサビシイ気もしますが・・・。

pagetop